整備管理方針案の概要



三四郎池整備管理方針は、総合調査によって明らかになった課題の解決つながるものとなることが期待される。

こうした課題の全てに現行キャンパス計画はこたえきれておらず(※下記参照)、新たな整備管理方針の検討が行われる必要がある。そこで、整備管理方針案の概要として、課題を解決するための提案をまとめたものを示す。個々の提案の内容については、次節以降で詳述される。

   

これらの解決策の全体像をコンセプト・ハード・ソフトというくくりで構造化すると、本企画による最終的な提案は以下のようなイメージとなる。

   

※現行キャンパス計画における三四郎池の位置づけ

三四郎池は、本郷地区キャンパス再開発・利用計画要綱(1993 承認、2003 改正)において、「公共空地」のなかの「保存空地」に指定されている。「公共空地」は、「一団の植樹のなされた地域または運動場等の空地であって、大学の教育研究活動にふさわしい良好な物的環境を形成し、または、教育研究上もしくは学生・教職員の福利厚生上必要な屋外活動に供されるもの」と定義されており、「保存空地」は、「地形、樹木または歴史的建築物が一体となってすぐれた環境を作りあげているものを「保存空地」とする。これについては、原則として、その位置、形状を保存する。」と定義されている。また、本郷地区キャンパス第三次整備計画(2005)においては、「緑地」の項目に、「エコロジカルな環境維持機能を充実し、キャンパスの快適性を増進するため、三四郎池周辺環境の整備、病院地区の緑地保全と拡充を進める。」と明記されており、「具体的な整備計画、整備指針等を策定する必要がある」との指摘がなされている。

キャンパス計画の記述をまとめると、三四郎池周辺の空間が満たすべき基本的要件として、大学の教育研究活動にふさわしい物的環境、位置・形状の保存・エコロジカルな環境維持機能の充実が挙げられる。これらは、総合調査の結果から導き出される、歴史的・環境的資産としての保全という方針に合致したものであり、今後の本学における三四郎池の位置づけとして適したものであると考えられる。しかしながら、当該計画は、いまだ具体的な整備計画・管理指針の策定には至っておらず、場当たり的な整備・管理が進行するおそれや、必要な対策が適切に実施されない危険性が指摘できる。