WebGISを活用した三四郎池総合調査結果の共有システム



はじめに

本企画では、企画の広報のために、本企画Webサイトを制作した。本企画の存在や目的、調査結果、あるいはイベント等に関して、学生、教職員、地域住民らに知ってもらうことで、企画に関する情報を共有し、企画を円滑に進め、あるいは世論を喚起することを目的としている。

現状として、三四郎池の存在は一般に広く知られているが、その一方で三四郎池に関する詳細な情報は集約されておらず、その自然的、歴史的意義が十分に知られているとは言えないということは先に述べた通りである。

そうした背景のもと、本企画においては環境、歴史、利用に関する調査を行ってきた。調査から得られた情報を、企画の進行と大学側への提言のためにのみ利用するのではなく、広く一般に広め、その自然的、歴史的意義を多くの人が知るための機会を作るということは、三四郎池の保全にとって、また、三四郎池ひいてはキャンパスに対する意識の向上にとって有意義であると考えられる。

以上のような狙いの下、多くの人々に対して情報を共有するための手段として、Webサイトを制作した。

三四郎池GIS

三四郎池GISとは、Web地図上に調査結果を公開するためのシステムである。GISとは、Gyographic Information Systemの略であり、地理情報システムを指す。

地図という形態は、視覚的・直感的に物事を把握することができるという利点があり、一般に調査結果を配信する際の形態として有効であると考えられる。また、歴史、環境、利用の各要素はそれぞれ位置に紐付けることができることから、各要素を重ね合わせて、その関係を含めて総体的な理解を行うことができると考えられる。

三四郎池GISは、大きく二つの要素からなっている。

第一に、調査結果公開システムに関して述べる。これは、歴史、環境、利用の各調査結果を重ね合わせて配信することを目的として、各種オープンソースGISアプリケーションを利用して制作されたものである。方法としては、オープンソースの世界地図であるOpenStreetMapをベースに、キャンパスマップと三四郎池のレイヤ、また各種調査結果をshpファイルとして作成し、GeoServerを利用してWMSで取得させ、GeoWebCacheを用いることで高速化を図り、OpenLayersを用いてそれらを階層的に表示する、という構成をとっている。

   
   図1 GIS構成図

三四郎池GISにおいては、基本的にオープンソースのGISアプリケーションを利用している。オープンソースであるということは、予算を必要としないこと、さらには特定の企業に依存することがないため、サービスとしては安定しており、また大学活動としての中立性を保ちやすいということに利点がある。

企画イベントである「三四郎池ウィーク」や「みんなの池。~SiLR企画成果報告会」に際しては、Webサイトを通じて広報を行った。結果として、それらイベントにおいては、一般からの参加者を募ることができた。このことは、一般の方が三四郎池に関して知るための場を作ることに対しての需要があることを示しており、三四郎池の自然的、歴史的意義に鑑みても、その機会を失うことは大きな損失であると考えられる。

また、オープンソースGISの主要なイベントであるFOSS4G 2008 TOKYOにおいて、オープンソースGISを大学活動に利用した事例として、三四郎池GISを紹介した。この報告に関しては、後に詳述する。さらに、GISに関する専門誌であるGIS NEXT第26号に掲載の「オープンカフェで逢いましょうvol.2」にて、オープンソースGISを活用した事例として、三四郎池GISを紹介した。

これらを通して、本企画、あるいは三四郎池に関する情報を広報することができ、当初の目的を達成するための足がかりとすることができたものと考えられる。

ここで重要となるのは、本企画終了後も、企画を通して得られた知見を公開することを継続し、多くの人が三四郎池の自然的、歴史的意義を知るための場を失わないようにすることであると考えられる。

360度パノラマ写真

これは、三四郎池における360度パノラマ写真を作成し、配信することで、三四郎池の現在の様子を視覚的に擬似体験することができるシステムである。方法としては、現地において写真を撮影し、パノラマ写真を作成、KMLのPhotoOverlayとして出力し、GoogleEarthAPIを利用してWebブラウザから閲覧できるようにした。

パノラマ写真